加圧トレーニングは血栓の原因になる?

新しいトレーニング方法が世に出る度に、副作用的な健康被害の有無が話題になります。加圧トレーニングもその例外ではありません。このトレーニング方法では専用の加圧バンドで血流を制限するため、資格を持ったインストラクターの指導の下で行う必要があるという程度には危険があります。それだけでなく、血流の抑制を行うため血栓の危険があるのではと考える人も多いようです。実際のリスクとその回避方法をまとめました。

血栓ができる原因と仕組み

人間の身体には、怪我で血が出た際に出血を止めるシステムがあります。血管が破れると、血が流れ出るのを止めようと損傷した箇所に血小板が集まり、破れている場所を覆うように固まります。このように固まった血小板を血栓と呼びます。通常であれば損傷個所が治った後には自然と分解される仕組みになっており人体には無害ですが、これが何らかの原因で血管が損傷を受けていない場合にも作られてしまう場合があります。血管の内壁にできて、血の流れを阻害しない場合には問題はありませんが、血のかたまりが大きくなり、血管に突然詰まってしまうと血栓症という病気になります。

血のかたまりによって血管が塞がれると、それによって様々な症状が引き起こされます。脳の周辺の血管が詰まると脳梗塞と呼ばれ、心臓の周辺でこの症状が起こると心筋梗塞と呼ばれます。どちらも命に関わる危険がある病気で、仮に危険な状態から脱することができたとしても損傷を受けた場所によっては韓進不随や身体の一部の麻痺などの重篤な後遺症をもたらすこともあります。

また、飛行機などに長時間乗っていたり、狭い場所で長い時間身動きを取らずにいたりすることで起こることで知られるエコノミークラス症候群という病気も、血液に詰まった血のかたまりによって引き起こされます。長時間同じ姿勢で座り続けていることで血管が圧迫され、足に血のかたまりができやすくなるのです。

そもそも血のかたまりがどうしてできるのかというと、何らかの原因で血管が傷つくことが原因と考えられています。特に糖尿病や、高脂血症と呼ばれる脂質異常を抱えている場合には血管が傷つきやすくなります。特に高脂血症は、普段の食生活が主な原因になっている場合が多いのが特徴です。脂っこい食事や不規則な食生活、加工食品の食べ過ぎなど、現代人が陥りやすい生活習慣病であるといえます。毎日の食生活に気を付けることで、リスクを減らすことができます。また、活性酸素が体内に増えすぎることも原因の一つです。ストレスや喫煙などで増える活性酸素も、毎日の生活を整えることで減らすことができます。健康的な生活を心がけることが、全ての病気に対するリスク軽減の一番身近な方法といえそうですね。

加圧トレーニングが血栓を作る?

血栓ができるのは、血管内が傷ついた場合です。血管が傷つく原因には、外側からの衝撃でダメージを受けた場合や、糖尿病や高脂血症などが考えられます。では、加圧トレーニングはその原因になるのでしょうか。トレーニングが血管を傷つける可能性について見ていきましょう。

加圧トレーニングの特徴は、何よりも専用器具である加圧ベルトで太い血管のある場所を締め付け、血液の流れを抑制するという点にあります。このトレーニングの際に行う血流制限は、もちろん人体に影響のないレベルになっていますが、血の流れが極端に少なくなることによって虚血という状態に陥ります。

虚血とは、簡単にいえば貧血のこと。血流制限をしている場所の血が極端に足りない状態になるということです。加圧し血流を制限しながらトレーニングをすることで、普段はあまり血がめぐらない毛細血管まで血が行きわたります。また、通常の状態よりも筋組織に乳酸がたまりやすくなり、それによって成長ホルモンが分泌されるというメリットもあります。

加圧の状態から解放されると、それまで抑制されていた血液が一気に流れるようになります。その血液によって成長ホルモンが全身に運ばれ、脂肪を燃焼させるという効果もあるのです。しかし、虚血の状態から解放されて一気に血液が通常通り流れると、同時に血液内に大量の酸素が放出されます。この時に血液内に放出される酸素が活性酸素となり、血管を傷つける原因になるという説もあります。

確かに血栓ができる原因の一つには体内に増えすぎた活性酸素も挙げられます。活性酸素とは、簡単にいえば身体を老化させる酸素のことです。通常でも、ストレスや喫煙など日常生活における生活習慣が原因で増えることがあります。特に血管が弱くなっている人は、このトレーニングを繰り返し行うことで血のかたまりができやすくなる可能性もあります。ただしこれはあくまで可能性です。各人の血管の状態や健康状態などに大きく左右されますので、気になる場合には事前の検査などを行うことをおすすめします。

健康被害を防ぐために気を付けたいポイント

せっかく健康を増進させるためにしているトレーニングが、逆に健康被害を生んでしまうのでは元も子もないですよね。加圧トレーニングは通常の筋トレやエクササイズと違い、血流の制限を行うため正しく行わなければ危険が伴います。では、トレーニングによる健康被害を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。

トレーニングの効果を最大限に引き出すため、そして健康被害のリスクを減らすために絶対に行いたいのが、健康的な生活を意識するということです。いくらトレーニングをしても、不規則な食生活や身体にストレスをかけるような嗜好をやめなければ意味がありませんよね。不規則な食生活は血液中のコレステロール値や血糖値を上昇させ、血液の流れを悪くしてしまいます。

また、身体にストレスをかける嗜好の代表例として喫煙が挙げられます。喫煙は様々な健康被害を引き起こすことはもちろんですが、体内に活性酸素を増やす原因にもなります。増えすぎた活性酸素は血管の内壁を傷つける危険性がありますので、なるべく喫煙を控えることも重要です。

また、定期的な病院での検査も必須です。特に糖尿病や高脂血症などの病気を持っている場合や、健康診断で血液に異常があった場合などは要注意です。実際にトレーニングを始める前に、医師による診察を受けて加圧を行うことによる血栓のリスクを確認しましょう。リスクが高い場合や危険と判断された場合はトレーニングを控えるか、インストラクターに相談しトレーニングの頻度を調節するようにしましょう。

何よりも無理は禁物です。トレーニング中や運動後も体調に変化がないか気を配り、不安があればすぐにインストラクターや医師に相談しましょう。そうすることで、健康被害のリスクを最大限に減らすことができます。

まとめ

加圧トレーニングは、血流を制限しながら運動することで様々な効果を得られるトレーニング方法です。ただし、糖尿病や高脂血症、血液に問題のある人の場合には血栓ができるリスクを高めてしまう危険性もあります。

健康被害をなるべく回避するためには、医師による定期的な診察を受けることが大切です。また、不安がある場合にはすぐにインストラクターに相談しましょう。そして何よりも、日ごろの健康的な生活を心がけることが重要になります。トレーニングのみに頼るのではなく、きちんとした健康管理を心がけることでその効果も倍増しますよ。

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